今日は海外渡航先で急病になった際、どのように対処すべきか、またCAとしてどのようなタイミングで連絡・報告が必要だったかなど自身の経験からまとめていきたいと思います。
目次
1. 深夜に胃腸炎発症
シンガポール行きのフライトでした。
シンガポールの街近くのホテルに着いたのが午前1:30頃。
そこからをシャワーを浴びてベッドに入りネットニュースやSNSを一通り見た後、午前3:00頃に消灯。
そこからしばらく寝付けないでいると、少しずつ胃に違和感が。
普段から環境や体調の変化によって胃が痛くなることはあったので「またいつものか」と思っていたら、いつの間にかチクチクと激しい痛みに。
それでも「きっと寝れば治る」と思っていたので寝ようとしましたが、ついに痛みで寝られず。やっとことの重大さに気付き、シンガポールの内科を検索し始めました。その時すでにAM6:00でした。
2. 病院探し
運が良かったのは、元同期が結婚してシンガポールに駐在帯同していたことでした。私は彼女に連絡して状況を説明し、どこの病院がいいか、意識が薄れる中力を振り絞って聞いていました。
彼女は早朝にも関わらずすぐに返信してくれ、日本人先生がいる病院を紹介してくれました。今思い出しても、感謝し切れません。
3. チーフへの連絡
病院も決まったところで早朝6:30頃でしたが、欠員の可能性もあるので会社への連絡は早めの方が良いと思い、チーフの部屋へコールしました。
その時のチーフはものすごく良い方で、まるで母親のように対応してくれました。
状況を連絡するとチーフはとりあえず会社に連絡するから、とにかくまずは部屋へ来て、とのことでチーフの部屋へ。
そこで会社へ電話。チーフが私にも代わってくれ、今の状況(その時既に体温38℃・・・)を説明、また病院で診察後状況判断して連絡します、と言って電話を切りました。
その電話のやりとりの最中にも吐き気に襲われ、チーフの部屋のトイレで数回嘔吐。。。前日から一睡もしていなかったこともあり、徐々に体力は限界に近づいていました。
4. 病院で診察
病院へはホテルからタクシーでチーフと一緒に向かいました。病院まで着いてきてくれるチーフはなかなかいないと思います。本当に助けられました。。。
幸いにもホテルから病院まではタクシーで10〜15分。その前にたくさん嘔吐したこともあり、ほとんど胃は空っぽの状態だったので車内では特に吐き気もなく、無事病院へ到着。
そこで診てくださったのはなんと20代後半〜30代前半くらいの若い女医さん。しかもアンジェラ・アキさん似の美人。
若いのにすごく丁寧に優しく診察していただき、「ウィルス性胃腸炎」と診断されました。
「とりあえず点滴をして様子を見ましょう。帰り便は体調が良くなったら問題ないですよ。」とのこと。
正直その状況で7時間後にフライトできている自分なんて想像できませんでした。。。
5. 点滴しながら爆睡
そして病院で点滴を打つことに。
点滴の成分については何を入れられたか正確にはわかりませんが、その女医さんには「じゃすぐ治るように〇〇と〇〇と〇〇入れておきますね。」と物凄い効果のありそうな成分を入れてもらいました。
その時は寝ていない、ご飯も食べていない、水分も摂っていない状況でそろそろ意識も飛びそうな状況でした。。。
点滴の針を刺されて気がついたら眠っており、目覚めた時には約1時間半が経過していました。
しかし目覚めてもそれほど体調に変化はなく、帰りもフラフラしながらチーフとともにホテルへ帰りました。
6. チーフの部屋で再度会社へ連絡
そして病院での結果と現在の体調について会社に電話しました。
ウィルス性胃腸炎で未だ熱が38℃から下がらないことを説明し、会社の管理職は代わりの人の送るけど、どうしますか?と言われたのでもちろん「大丈夫です。帰りもフライトできます」ととりあえず返答(しかし本音は、こりゃ無理だ。。。という状況。笑)しました。
言ったはいいが、全くその時は全く回復の兆しがありませんでした。。。
7. 部屋に戻ってとりあえず出社まで睡眠
部屋に戻って落ち着いてベッドに入ったのが既に15:00。起床時間まであと3時間半。この時間で本当に回復するのかはわかりませんでしたが、とりあえず寝ました。
8. 目覚めると・・・
約3時間半後。目覚めた瞬間、胃腸炎だったことを忘れるほど体が軽くなっていました!胃の痛みのなし。そして熱を測ると平熱(36.5℃)。
奇跡が起きました!
シンガポールの医療は素晴らしい!!!
すぐにチーフに連絡し「回復したので帰り便もよろしくお願いいたします。」と。そしてチーフはすぐに会社に問題ないことを連絡してくださいました。
そして準備し、日本から持って来ていたプレーンのロールパンを1つ食べ、無事にホテルを出ました。
9. 帰るのフライト
シンガポール深夜発→羽田早朝着の便でしたが、帰りも問題なく働けました。
チーフや周りのクルーは心配してくれつつも忙しい便だったので病み上がりという言い訳もできずにテキパキと働きました。
10. 到着後、事務所にいる管理職に報告(謝罪も兼ねて)
羽田に無事に着きました。チーフには感謝しても仕切れないほどでした。たくさんお礼を伝えました。
CAが大変なのは、病気をしても管理職に報告・謝罪をしなくてはいけないこと。
私の場合、穴を開けずに働くことはできましたが、周りに迷惑や心配を欠けたのは事実。私はすぐに事務所にいらっしゃった管理職に報告と謝罪に行きました。
その日に担当してくださった管理職の方はとても良い方ですごく優しく労っていただき、「お大事にね」と温かく声をかけてくれたので私も後味良く帰路につくことができました。
11. すぐに日本の病院へ
念のため帰着後、一睡もすることなく日本の病院へ。そこでも薬をもらい、特に異常もなく、様子を見ましょうとのことで一件落着。
熱も下がり、疲労以外は体調に異変もなかったのですが、一応薬は貰いました。
12. 最後に直属の上司へ連絡(謝罪)
その日のうちに状況説明の長文メールと迷惑をかけた謝罪文を当時の担当上司に送りました。
しかし返信はなし。。。忙しかったのだと思いますが、せめて労いの一言は欲しかったなぁというのが当時の本音でした^ ^
※診療費はどうしたか?
今回のシンガポールでの診療費は約3万5千円ほどでした。。。しかし全て保険でカバーできました!!
今はわかりませんが、当時の私たちCAは国際線を飛び始める前に全員会社指定のクレジットカードを作成していました。
そのカードで海外医療保険はある程度の金額までカバーされることになっていたのです。入っていてよかったー。
求償方法としては、
①シンガポールで受診した際、当該クレジットカードで支払う
②領収書を貰う
③帰国後、一定期間(確か2週間くらい)内にカード会社に電話して事情を話す
④カード会社の指示に従い、指定用紙に必要事項を記載し、必要書類とともに投函
⑤1ヶ月以内に口座に満額入金!
という流れでした。
いざという時にはご参考までに。
まとめ
以上が私が経験した海外渡航中の急病でした。
私の場合、シンガポールという医療先進国、元同期がいい病院をすぐに紹介してくれた、ホテルから病院が近かった、日本語が通じた、チーフがものすごくいい人だった、というラッキーが重なったため、特に大きなトラブルにはなりませんでしたが、実際海外の急病は本当に大変です。
体調管理はもちろんのこと、常にある程度の常備薬や体温計を持ち歩く、緊急連絡先をメモしておく、症状を簡単に英語で説明できるようにするなど、ある程度できる備えは必要かと思いました。
それでは今日もお読みいただきありがとうございました。
おやすみなさい😌
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